「ヤガン折目(ウユミ)」について


 毎年、旧暦の6月24日、25日、26日の3日間を通して行われる「祭り」です。
 最終日には、一般の人たちも参加し健康祈願や、子宝祈願を行う日となっており、村民をはじめ多くの観光客が訪れます。また、夜には奉納相撲や余興が行われます。
 ヤガンウユミでは、松尾御嶽のイタジイの木の葉をカーブイ(冠)として利用します。

<旧暦6月24日>
 午後5時頃、各区長、各原組のヤトゥイ(雇)は祝女と共にエーガー拝所に集まり、山の神のお迎えをする。

<旧暦6月25日>
 午後7時頃、東の両ヌル、西のスイミチジ、以下の神人、ニイブトゥイ神、ヤトゥイ(雇)、各区長が大中の火ヌ神の祠前に集まり、ヤカン神の来臨の御礼と翌日の折目の案内と無事終了を祈願する。また、東と西の神々が同時に前に出て、同時に祈願して終わる。

<旧暦6月26日>
 午前10時頃、始めますという朝のウンヌキグト(お願い事を伝える申し開き)が始まる。年中行事の中で盛大な神事であり、老若男女がイビガナシーに集まり健康の祈願をする。


= 由来 =

 その昔、島の北側の野厳原(ヤガンバル)で毎年6月(旧暦)になるとそこに居る荒ぶれた神様に畑の作業にきた人々が目をえぐられたり、鼻をそがれたり、妊婦は流産させられたりしたそうです。
 困った島の人々は、沖縄本島北部の今帰仁城の王様に何とか治めて下さいとお願いに行きました。王は家来の平敷大主(へしきうふしゅ)にこの荒ぶれた神を治めるように命じました。
 平敷大主はバーイ(千魚)、粟や酒(ミチ:ソテツの実を発酵させたお酒)を準備させ島のノロ(神人)達といっしょにその荒ぶれた神を野厳原から拝所のイビガナシーまで誘い出し、用意したバーイやお酒でもてなしました。
 その後この荒ぶれた神様も島の人々に悪さをしなくなったそうです。
 それで、毎年旧暦の6月24日、25日、26日は、神を鎮める祭り「ヤガンウユミ」が行われてきました。
 もともと「ヤガンウユミ」は、神を鎮める祭りでしたが、現代は、島の繁栄と人々の健康祈願が主のようです。


なお、「ヤガンウユミ」の由来は、村誌を始め数説あります。本由来は、粟国村発行「広報あぐに(NO.33):H22.9」より抜粋しました。